2008年9月 大宮氷川神社 弊殿と本殿の取り合い部修理


拝殿/回廊部の修理に続いて、拝殿の後ろの弊殿(拝殿と弊殿の屋根は上下に分離している)と本殿との取り合い部の修理にかかりました。
片流れの本殿の中程に弊殿が直角に食い込む形になっており、その接合部の納まりは非常に高度な技能を要求されます。
既存の当該部分から既に雨漏りしており、それを止めるためにコーキング処理がベタベタされていました。
この部分は境内からはほとんど見えず(敢えて見ようとすれば007.jpgのように回廊の左側からわずかに見える)、また施工上の観点から
(ハンダ付けが必要な箇所が出て来る)も人工緑青を使用せず、通常の銅板を使用しました。
ただ施工している期間は2008年夏に特有だった「ゲリラ豪雨」が毎日のようにあり、職人は修理している場所にシートを張って工事をしました。
雨が止んでも周囲がぬれているので、新しい銅板にぬれた軍手の跡が残っているのがその証拠と言えるでしょう。
常に雨が当たる屋根部分の軍手の跡は、経年変化で全く分からなくなります。
常に雨の当たらない軒付け(軒先や昇りの、何段にも葺いた厚さ部分)は、軍手の跡がいつまでも残りますので細心の注意が必要です。


工事前の現状と修理後を同じ角度から比較。

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谷は、現状の変形廻し葺きから、水の流れやすい網代葺きに変更した。


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美観を考えて谷を廻し葺き(現状は完全な廻し葺きではない)にするよりも、画像のように単純な葺き方が水捌けが良い。


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雨が漏るからとコーキングをベタネタ塗るのは逆効果。どこからから水が入るか特定出来ない場合は葺き替えるしか無い。


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谷に近い縦ハゼは、雪が積もった時にその重さで縦ハゼがめくられないようにハゼを逆向き(この場合は左行きを右行きに変える)にする。


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弊殿(取り合い部下側)の屋根板と、本殿(取り合い部上側)の地板は、ハゼを作らず一枚で廻し葺きにする。


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右の画像は、弊殿の棟から弊殿の右側を見下ろしたもの。
工事の最後に屋根上の足掛かりを外す。


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境内からは入って左側の写真館の前からやっと見える程度で、よほど屋根を注意して見ないと分からない。


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007をアップにしたもの。
本殿の急勾配がよくわかる。


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