2010年の猛暑に、銅屋根は耐えられたか?!

かつて経験の無い暑さに見舞われた2010年、当社で施工した銅板平葺き(一文字葺き)屋根の中で、施工時期が古く且つ
軒数が長い(屋根の左右の長さが長い)屋根がどうなっているか、つまり中程に持ち上がりが起きていないかを、
まだ猛暑が残る9月4日に調査してきました。

平葺きの持ち上がりと言うのは、この右ような状況を示します。
(他社施工の屋根の修理時に撮影)
持ち上がりに関する詳しい説明となぜこれが発生するか、及び
修理実例はこちらを参照下さい。

ケースA

1980年5月撮影

2010年9月4日撮影

1979年新築施工(施工後31年)
0.3mm四つ切り
寄棟造りだが勾配が比較的緩い。
軒先に近い部分は軒数が長く、さらに緩勾配。
したがって切りハゼ(2枚繋ぎの地板の縦ハゼの
下側横ハゼを切って伸縮し易いようにする)に
出来ず、全て掴み込みにした。

中央付近に持ち上がりは見られない


ケースB






2002年1月3日撮影


2010年9月4日撮影
1981年瓦葺を銅板に葺替え(施工後29年)
0.3mm四つ切り
下葺き材がアスファルトルーフィングでなく、
当時はアスファルトフェルト17kgだった。

中央付近に持ち上がりは見られない。

ケースC



1998年9月20日撮影


2010年9月4日撮影

1998年鉄板葺きを銅板に葺替え(施工後12年)
0.3mm四つ切り
坪数が多く、自社加工の地板が間に合わなか
ったので、既製品の本ハゼ3枚繋ぎを使用した。
繋ぎ部分の縦ハゼの上下にポンチを打ってあり
これが施工後に伸縮の邪魔になるかと心配した。

中央付近に持ち上がりは見られない。

ケースD




2007年1月19日撮影


2010年9月4日撮影

2006年新築施工(施工後4年)
0.3mm四つ切り
銅板が設計事務所支給の材料。
その特性に合わせて施工面を違えた。

軒数は短いが、中央付近に持ち上がりは
見られない。


結論

1) 地球温暖化で夏の日中の最高気温が
35℃から40℃になったとしても、この5℃上昇で持ち上がりが発生するわけでは無い。
2) 持ち上がりが発生してしまう屋根は、施工直後からこれが見られる。
3) 上記のケースA〜Dは、いずれも銅板の厚さが0.3mmであるが、現在は0.35mmが標準となっている。
  各ケース事情はあるものの、2010年の猛暑に持ち上がりは発生しなかった。
  現在は以下のような対策が取られているので、施工さえキチンとすれば大丈夫である。

  *0.3mmと0.35mmでは0.05mmの差しか無いように思われるが、施工上は倍の厚さの感覚。
  *厚い分、横ハゼの折り曲げが丸くなり、延びに対しての抵抗力が増す。
  *さらに適当な位置にエクスパンション(伸縮継手)を入れてある。
  *下葺材も改質ゴムアス系にシフトしつつあり、銅板との癒着(ルーフィングと銅板がくっついてしまい、
   冬期には縮んで破れてしまう事)に対して効果的である。

トップページに戻る