銅板平葺き屋根 修理実例

いわゆる銅平葺き板屋根は(一文字葺きとも称されます)、縦横をハゼで組み合わせていますので、その箇所だけ外して修理や葺き替えが出来ます。
銅板は熱伝統率が良いので、直射日光に当たりますと前後左右に伸び、また夕方になると元に戻るという伸縮を繰り返します。
この伸縮を吸収するのが縦横のハゼで、伸縮を銅板1枚ごとに吸収出来ればいわゆる「持ち上がり」は起きません。
通常使われる平葺きは四つ切りと言われ、寸法は定尺平板(4尺×1尺2寸)を縦横に4等分した6寸×2尺です。他に六つ切り/縦七つ切り/縦八つ切りetcの規格があります。
ハゼを引いた出来上がり寸法は4寸5分×1尺8寸5分ですから、上下の伸縮は無視してもかまいません。
問題は左右(四つ切りの場合1尺8寸5分で上下の4.1倍)の伸びを縦ハゼで吸収しなければならないのに、現実は縦ハゼを潰し過ぎて伸びを吸収できず、十数枚(時には何十枚)も一体となって、
左右から真ん中へ伸びて来て、ついに一番弱い所が持ち上がってしまうのです。

横ハゼはハゼの線を奇麗に見せる為と毛細管現象による吸い込みを防ぐために浮かせてありますが縦ハゼを動くように緩く繋ごうとしても、成形加工する時の事情でそうも行きません。
*平葺きの準備として下ごしらえの地板作りは、最初に2~3枚縦ハゼを繋ぎ、次に横ハゼを折る成型機で上下のハゼを折りますが、この横ハゼ成形機に入れる時にあまり緩く縦ハゼを
 繋いであると外れてしまい、ついつい固めに縦ハゼを潰してしまいがちです.

 大手の板金業者は施工効率を上げる為に3枚繋ぎが多いようですが、大熊板金は2枚繋ぎで加工しています。

工場(自社)で加工された大量の地板を屋根の上に運び、既に葺いてある地板の縦ハゼに繋いで横に葺いて行きます。(縦ハゼを繋いでから上側の横ハゼを返し、下側の横ハゼは掴み込む)
この時に縦ハゼを叩くわけですが、この力加減が非常に難しく経験が必要です。あまり叩き過ぎると縦ハゼが動いてくれなくなりますし、緩すぎると横から見てそこだけ膨らんで太く見えます。
これだけ慎重に作業しても、昨今の地球熱帯化(温暖化では表現が生温いとこう言うべきだという考えがあります)で、夏の最高気温が体感的には4~5度上昇していますから、
持ち上がりが発生する可能性が考えられ、通例5〜6m毎に伸びをここで吸収するように「伸縮継ぎ手(エクスパンション)」を施しています。
事例(その4)では、伸縮継ぎ手を入れるべき所あたりに持ち上がりが発生していました。

また、持ち上がりが無い場所でも、伸縮を繰り返す事による金属疲労で縦ハゼが切れてしまう場合があります。

縦ハゼが切れた実例

これが銅板の寿命という事で、縦ハゼが切れた所は外して葺き変えなければなりません。

では実際に銅板修理をした実例の画像から、どういう風に傷んでいたかと修理方法を見てみましょう。
画像をクリックすると横1200pixで作ったファイルが表示されます。
最近のPCの画像表示は大きなものをスクロールしなくてもすむように、最初に画像の長辺に合わせてモニターに縮小表示されますが、その画像をもう一度クリックすると画像の全画面表示になります。
その下の「A4プリント1010KB」はこの画像のA4サイズのプリント用で、250pix/inchの高画質ファイルをリンクしてあります。見るには大きすぎますがプリントするとちょうどのサイズです。
プリントされる場合は画像をご使用のPCにダウンロードされてから、プリンターのプレビューでA4フルサイズになっているか確認されて、写真用紙でプリントされるときれいに出力されます。


施工後数年で「持ち上がり」し、
まだ縦ハゼが切れていないので、
新しい銅板にせずに外して修理し
元に戻した事例。
(その1)
左のケースの実際の修理方法。
修理が終わってしまうと、
どこを直したか分からなくなった
というレアな事例。

(その2)
初期の既製品を施工した事例。
3枚繋ぎの中2本の縦ハゼは
アヤメ折りで、
実際は3枚が6尺1枚だった。
(その3)

ほとんどの修理は新しい銅板に
葺き替えとなり、こういう
外観になるが、そのうち
経年変化で目立たなくなる。
(その4)

自然緑青に似せた
人工緑青銅板で
修理した事例。
(その5)
大宮氷川神社の事例
一度他社が修理した部分の
色が不自然なので、
人工緑青銅板を特注し
周囲の色に合わせて
施工した。

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