銅屋根の特徴

1.銅板は究極のリサイクル建材です。

社寺施行に使う銅板自体のかなりの部分がリサイクルされた原料です。(その割合はメーカーによって異なる)
また葺き替えの場合も剥がした銅板は再処理され、また新しい銅板として使われます。
現場での作業や自社での加工中に出た銅板の切り落としは平葺きを止める釣り子に加工し、さらに小さい切れ端も全て
まとめて再生原料としてメーカーに引き取って貰います。

2.銅板が酸性雨に弱いというのは事実ではありません。
銅板で全て施工してある銅屋根は、酸性雨のイオンを中和する作用があります。
銅板だけで葺いてある屋根にはほとんど影響がないのです。
問題なのは、瓦の下に銅板の庇や下屋があるばあい、瓦に染みこんだ酸性雨が銅板に穴をあけるというケースです。
もともと瓦は緩いU字型なので同じ一点に雨が落ちます。
この水の落ちる長年の力というものは凄いもので、石にも穴を空けるのはご存じの事と思います。
その為 現在の銅雨樋(軒樋・縦樋・集水部など全て)は内側に合成樹脂皮膜塗装をしてあります。
つまり下から見ると経年変化で色が変わって来ますが、雨水の落ちる内側は皮膜塗装の為にいつまでもピカピカの銅板色です。

屋根や谷の場合は1〜2年経過して銅板の色が落ち着いた頃に、雨が落ちる所に合成樹脂保護材を塗布すれば問題ありません。
→参照 タニラック塗布実験ページ

3.地震や火災に強い軽い屋根に出来ます。
植物素材の屋根(柿葺き・檜皮葺き・茅葺き)は、その材料確保の困難さと防火性の悪さから、国宝・重文クラスの伝統技術保存対象建造物以外は
施工されにくくなってきました。(十数年前の法改正により市町村レベルの文化財でも茅葺き屋根の施工が出来るようになりました。→参照クリック
しかし銅板はその加工性の良さから、元の素材のイメージを残しながら防火屋根として再現することができます。
→参照 茅葺き風銅屋根
その上に緑青が皮膜形成されますと、周囲の杜と一体となります。
また瓦葺きに比べるとその重量の圧倒的軽さで地震に有利です。
本瓦葺き(土葺き)約1トン/坪    銅板0.35ミリ 14.5kg/坪
本瓦葺き(現在は)約700kg/坪    銅板0.3ミリ  12kg/坪
掛桟瓦葺き140〜150kg/坪

4.緑青は毒でもありませんし、腐食でもありません。
一般には緑青は「 毒だから危ないんじゃないか」と誤解された時代もありましたが、現在は無害であると証明されています。
また緑青は鉄の錆びのように銅板を腐食させるものではなく、逆に皮膜として銅板が厚くなります。
→参照 稲荷社の棟にあった紋に金箔を押し直したケース

ただしこの緑青は常に雨が当たる屋根部分にしか形成されず、立面(軒付けや棟の立ち上がり面)は焦げ茶色のように変色するだけです。
(さすがに40〜50年以上経ちますとこの部分にも緑青が形成されるようです・・・・)
この緑青が形成された部分の薄い青緑色と立面の焦げ茶色のコントラストが屋根に立体感を与え、銅屋根の美しさの元となります。
残念ながら人工緑青は、本来緑青が形成されない部分まで緑青銅板にしてしまうのでこのコントラストが無く、
全体に平面的な印象になってしまいます。
→参照 緑青とそうでない部分とのコントラスト例

5.真夏の気温上昇にも対応しています。
管理人が子供の頃は真夏でも気温は33〜4度程度でした。
最近は埼玉でも38〜9度近くまで気温が上昇する事があります 。
銅板は熱伝導率が良いので、気温の上下によって銅板は伸縮します。
そこで真夏の延びに対しては、それを吸収するハゼの潰し加減に細心の注意を払い、適切な距離毎に伸縮継ぎ手(エキスパンション)を
入れて、持ち上がりを防止しています。
 *持ち上がりとは、日中太陽に照らされた銅板が縦ハゼでその延びを吸収出来ないと全体が1枚の銅板の様になって、左右から延びた
  部分が中央に集中し、山の様に膨らむ現象です。
  しかし夕方になると冷めて元に戻りますので、その時に見れば何でも無いように見えますがこれを繰り返す事によって、
  金属疲労によりハゼが切れそこから雨水が侵入し、雨漏りの原因になります。

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