持ち込み「お宮」「燈籠」の施工例

(注)ここに掲載されている全ての銅屋根の画像は、大熊板金が実際に施工したものです。

現場に赴いて銅屋根を施工するのが基本ですが、トラックに載るほどの小さな「お宮」や「燈籠」は、
当社に直接持ち込んで戴いて1階の作業場や倉庫で施工するという事も可能です。
その一部の「お宮」を6例、「燈籠」を3例ほど紹介いたします。

このような小さな「お宮」の基本形は、「一間社流れ造り」ですが、神社や寺院の末社として祀られているフルサイズ(単独の建造物としての大きさ)を、
そのままスケールダウンすると細部に違和感が生じる為、いわゆる「木割」の法則を変えてデフォルメ(強調や省略)が以下の施工例にも各所に施されています。
特に破風板と銅板軒付けの巾が広く、鬼板もこのままフルサイズに拡大したら大き過ぎると思われるようなサイズですが、この「お宮」サイズですと
これくらいの大きさにしなければ貧弱となり、全体の調和が取れません。
木部の構造や装飾は、施主様の意向を受けて工務店がその予算内で出来る形という事で、銅屋根もその予算に対応した段数や鬼板になります。
どれが良いかではなく、全て予算しだいであり、その制約の中で出来うる最大限の施工という事です。
*画像の解説の説明
1.構造    →切妻造り 流れ造り(向拝柱があるために正面の屋根が背面に比べて長い)
2.軒付け   →段数(1段、2段) →軒側端の反り増し(有り、無し)
3.屋根段数  →正面段数背面段数
4.箕甲    →横ハゼの反り上げ(有り、無し) 
5.鳥衾    →(有り/無し)
 注1)   屋根の段数は正面/背面とも奇数が良いのですが、流れ造りの場合は前後で流れ長さが違います。
        まず箕甲の丸みと落ち込み深さから一段で葺ける限界の葺き足を出し、正面/背面で葺き足を近似値にしようとすれば自然に段数が出て来ます。
        同じくらいの葺き足にすると、正面が奇数で背面が偶数(逆も有り)となる場合もあります。
        この場合は1段目のカスガイを正面/背面で違えて、鬼板の所で縦ハゼが同じ位置に来るように、上から割付をします。
        それでも葺き足と段数の組み合わせが整合しない場合は、背面の1段目の葺き足を大きくしたり小さくしたりして調整します。
 (注2)   縦ハゼは一枚一枚組み合わせる(本ハゼ)ではなく、Z型に折って縦ハゼに見せた「アヤメハゼ」で、「芯」又は箕甲部繋ぎだけ本ハゼです。
        これくらい小さくなると銅板一枚当りの大きさに基準は無く、葺き足を出してから適宜(箕甲の中に1本入れるか?とか、鬼板の足の中に
        入らないようにとかetc)縦ハゼを配置します。
 (注3)   全ての鬼板に既製品の鬼板は使用せず、棟の大きさや建物の形に合わせた手作りです。
 (注4)   フルサイズと同じように、覆屋無しの外で直接雨が当たる事を前提として施工してあります。
       (大きな稲荷神社の門前にあるお店に置いてあるお宮を購入される場合は、外に祀って雨に当たっても大丈夫か、確認された方が良いです。)

1.切妻造り
2.軒付け 1段/反り増し無し
3.屋根段数 正面/背面とも6段
4.箕甲 反り上げ無し
5.鳥衾 無し
*非常に簡素なお宮で、
 正面に格子扉を付ける。

1.流れ造り
2.軒付け 1段/反り増し無し
3.屋根段数 正面7段/背面5段
4.箕甲 反り上げ無し
5.鳥衾 無し
*簡素ながら柿葺き風の屋根で、
 屋根の中心が高く、左右に縦ハゼを
 振り分けた。

1.流れ造り
2.軒付け 1段/反り増し有り
3.屋根段数 正面9段/背面7段
4.箕甲 反り上げ無し
5.鳥衾 無し
*いわゆる「見世棚造り」

1.流れ造り
2.軒付け 2段/反り増し無し
3.屋根段数 正面13段/背面9段
4.箕甲 反り上げ有り
5.鳥衾 有り
*棟が高い分、鬼板も大きくなる。
 目線位置では大きすぎるが、かなり高い
 基礎(基壇)の上に乗れば自然だろう。

1.流れ造り
2.軒付け 1段/反り増し有り
3.屋根段数 正面8段/背面6段
4.箕甲 反り上げ無し
5.鳥衾 無し
*この6例の中で最小ながら広縁もある本格派。
 予算も最小額だったので、鬼板の模様は無し。

1.流れ造り
2.軒付け 2段/反り増し有り
3.屋根段数 正面14段/背面9段
4.箕甲 反り上げ有り
5.鳥衾 有り
*持ち込み出来る限界の大きさ。
 左の鬼板で分かるように、前後の
 屋根勾配が違う。

       木製「燈籠」施工例
灯篭は工芸品として販売されている商品もありますが、このページに掲載したものはあくまで屋外に置かれる
附属建造物としての施工例です。

切妻/桟葺きの燈籠
金鑽神社にある大中小の燈籠の
中サイズで、葺き替えの為
持ち込まれた。
下は小サイズの新規作成。

こういうシンプルな形を葺く
のが一番難しい。
ケラバ桟と桟鼻の尾垂れを小さくた。
上はケラバだけ尾垂れを付け、
桟鼻は箱止め。

1.切り妻造り
2.軒付け 1段/反り増し有り
3.屋根段数 正面/背面とも7段
4.箕甲 反り上げ有り
5.鳥衾 有り
箕甲上部は3次曲面になるので、
 これくらい反り上げないと納まらない。

以上に紹介した9例は小さくても、普通の銅板屋根と同じ雨仕舞いを施して施工してあります。
工芸品としての「お宮」や「燈籠」は、店頭に並んでいる現物やカタログの中から選ぶ事になりますが、
それほど数多く売れる商品では無いため、形と価格が希望するものと一致するのは難しいでしょう。
「社寺建築の工務店に注文したら、どれだけ掛かるか怖くて出来ない。」という施主様の心配も分かりますが、
「お宮」の例のように、施主様の希望に沿った予算内で構造や装飾を示して戴けると思います。
大熊板金としても、ご希望があれば工務店を紹介いたしますので、施工例をじっくりご覧下さいませ。

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